特発性過眠症と猫と

特発性過眠症と診断された筆者の病気の経緯と、一緒に暮らしている2匹の猫との暮らしの日記。終わりたいけれど、生きなくては、とも思う心の不安定な様を不定期更新しています。

2014年 今年最後の診察日|特発性過眠症と猫と

今月、11日が2014年最後の診察日だった。

この日も待合室は混んでいた。

わたしは予約時間の30分前には受付を済ませていたので、
その時間を入れると2時間待ったことになるが、
年末年始はどこもかしこも混雑するのだから仕方がない。


この年、わたしの特発性過眠症の症状は少しは良くなったのかなぁ、
と思い返してみる。


過眠症の症状の目立った悪化はなかったように思うが、
今年に入ってから、19年勤めた職を失ってしまった。解雇されたのだ。

会社側には様々な理由があったと思うが、
わたしが特発性過眠症に罹患したこと、
これは理由の一つとして大きい。

なにはどうあれ、わたしは仕事を失い、
そして今後はこの職に就きたい、と絞っているせいもあり、
12月になった今も職に就けずにいる。

現在のわたしの環境から考えてみると、正直なところ
職安に行く日と病院に行く日以外は
朝起きれずにそのまま寝てしまっても構わない、
と言っても差し支えない状況なので、
過眠症の状態はどうかとは、なんとも判断が難しい。


解雇されてから始めの頃は、長いこと働いたし、
ここは休養だと思って・・と気持ちにゆとりもあったが、
数ヶ月も経つと、自分が求めている職種の求人が非常に少なく、
また、あったとしても、とても生活ができるとは思えない給与で
応募に至る案件が極少だということがわかってきた。

そして、わたしは現在の求人に対する応募の流れが
まずは『面接』から、まずは『書類選考』
に変わっていることを知らないでいた。

応募書類は出しても出してもメールも電話もなく、
開封してみれば
『今回はご意向に沿えずに・・・』
との送付状は添えられているものの
こちらで添付した返信用封筒を使っているのにもかかわらず、
送付状の宛名が間違っていたり、
送った書類が全て揃って返ってきていなかったり、など
応募した側から見ると、不誠実極まりない状態で
雑多なチラシ、公共料金の支払明細などに紛れて
無言で郵便受けに戻ってきていた。

経験も資格もあるのに・・?
これっぽっちの経験と資格では雇うに至らないということなのか・・?

焦りを感じ始めていた。


そんな中で、先日、求人に応募した会社から
面接をしたい、と電話があった。

面接してもらえる!やった!と思った。

面接の際には、ちょっとしたアンケートがあります、
と言われた。
試験があります、と言われていたら大いに慌てたが、
アンケートならばなんら問題ないと、
大きく構えて面接日を迎えた。

会場に着き名前と要件を告げると、
受付のお姉さんがにこやかに

”こちらにに記入を・・”

と言って手渡してきたバインダーには、
2枚のアンケート用紙が挟まれていた。

その用紙の冒頭には

”あくまでもアンケートなので、お答えいただいた内容が
採用に不利になるようなことはありません ”

と書いてあった。しかし

*どの位この仕事に就きたいとお考えですか?
  1.ぜひ就きたい   2.どちらかといえば就きたい  
  3.他に応募している仕事との兼ね合いで決めたい  
  4.条件が合えば就きたい

などをはじめ、どう答えたものか、うーん・・・
と考えてしまう質問が幾つかあった。

機械で集計するわけではなく、
このあと面接する面接官が目を通すわけだし、
採用に不利にならない、と言われても
・・そうはならないよなあ・・・
と当然疑ってしまう。

その中で、一番悩んだのがこの質問だった。

*持病のため、月一回病院に通う必要がある。
  当てはまる方は◯をつけてください。

病気の種類とレベルによるだろうが、
初めから病気とわかっている人間を雇うだろうか?
しかし、わたしは該当者だし、
採用となれば隠す事は出来ないかもしれないし、
と思うと、◯をつけざるを得なかった。


アンケートを提出し、その後の面接では、
採用決定ではないので、
個人情報の・・とういこともありさすがに
病名を問われることはなかったが、

”持病のため、月一回病院に通う必要がある、のですね? ”

と、2回確認されたので病名を聞きたいのだな、と思った。

卑屈にならずに、明るく微笑みながら

睡眠障害です。仕事には差し支えありません ”

と言えればよかったのかも知れないが
差し支えない、とはやはり言い切れない。

”はい。通院のため月に一回だけ、休みを頂きたくお願い致します ”

と答えるのがやっとだった。
言い終わると、目の前の面接官3人がメモしていた。

このことが原因だとは思わないが
この仕事は採用とはならなかった。


寝床から起き上がれない自分、
経営者に、この人を雇いたいと思わせる事の出来ない自分、
ダメな自分を持て余してどうにもできなくなって鬱になる自分。

こんなんじゃ、何やってもだめだよな・・

働けない理由など何もないのに、
半年以上仕事をせず家にいるということは
間違いなく自分の精神面に悪影響を及ぼしていると思う。


鬱に関して言えば前回の記事にも書いたのだが、
ジェイゾロフトと読書は
効果があったのではないかと思う。

長時間全く動けないという日が少なくなった。

が、まだ目の前のするべきことに
どうしても手がつけられないということは多々あり
ひとまず座ってお茶でも入れようか?と思っても
お茶を入れるために動く気力さえわかない。

生きていればそんな日もあるさ、とも思うし
明日まで命があるとは限らないのだから、
もっと1日を真剣に生きなければならない、とも思うし
動けないのは決して不真面目に生きているからではない、とも思うし
特発性過眠症という病名に甘えているだけなのではないか、とも思うし
気持ちが激しく乱れ、自分を含め全ての事に苛立ちを感じる。


ジェイゾロフトを処方してもらう前の
抑鬱状態が続いた時は、何か手がないものかと探した。

少しでも気持ちの切り替えのきっかけになればと、
すがるような気持ちで、やる気の出る言葉、
などといったアプリをiPhoneにダウンロードしてみたり、
アロマテラピーがよいと知れば、
鬱に効果のあるとされる精油を何種類か買ってみたり、
セロトニンが不足しているのでは?
という記事を見つけてサプリメントを注文してみたり、
いくつかの目に付いた方法を試した。

ただ、アロマテラピーは猫によくないらしく
わたしには大切な猫のこぶーちゃんがいるので
アロマディフューザーで室内に香りを満たしたりすることは出来なかったし
鬱に効果あり、と書かれていた香りをいくつか購入したが
香ってみると、自分の好みの香りではなく、
そもそも自分でいい香り、と思えない香りで、
癒されることはないだろうと思った。

アプリで見れる偉人の名言も、α波の状態を作る音も
ほんの一瞬のことで
自分の置かれている、自分だけが認識する自分の中だけの悲惨な状況から
自分を引っ張り上げてくれることはなかった。

なので、ジェイゾロフトと読書、
これは効果があったのではないかと思うのだ。


”決して活動的とは言えませんが、最近では
 動けない、という日が減ったような気がします。”

とDr.に伝えると

” あら。よかったねぇ ”

と言われた。

Dr.のくだけた口調が、事務的な感情ではなく、
純粋に、よかったね!と言ってくれている様な感じがして、
なんだかわからないが、嬉しい気持ちになった。