特発性過眠症と猫と

特発性過眠症と診断された筆者の病気の経緯と、一緒に暮らしている2匹の猫との暮らしの日記。終わりたいけれど、生きなくては、とも思う心の不安定な様を不定期更新しています。

特発性過眠症患者としてのリスタート|特発性過眠症と猫と

前の記事で、

戦いが始まった

と、記したのだが、本当の所、これほどの苦戦を強いられることになろうとは

その時には全く想像をしていなかった。

病名が判明し、専門医から薬を処方してもらったのだから、あとはもう何も恐れることは無く、回復に向かうだけ、半年もしたら完治してしまうのではないか?

そんな風に、若干軽く考えていた。

 

だが実際は覚醒作用のあるベタナミンを服用しても睡魔と戦わなくてはならない毎日だった。眠さを自覚できる時は行きたくもないトイレに行ったり、会社のビルの階段で上り下りを繰り返したりして応戦した。が、だいたい自覚できない事の方が多く、そういう時はすっかり眠りに飲み込まれ、ゆらゆらとして、誰かに声をかけられてぼんやりと目覚めたりしていた。

 

病名が判明した事は、勿論上司には報告したのだが

『ふーん、、、それって治るの?大変ね』

と感情も興味もなさそうな返事。

経営者側から見れば、居眠りしている従業員に給料は払いたくない、というのは当然の事だと思うけれど、18年も真面目にここで働いてきたのに、この扱いって酷いよな。

どう扱ったらいいのかわからないのかもしれないけれど、酷いよな、まるで邪魔者だものね、と少なからずショックを受けた。

 

勿論当然ながら、従業員の中にも、眠っていて給料もらえるなんていいよねえ!という人もいて、これも言いたい気持ちはよくわかるので、反論はしないが、でもやはりしょぼんとしてしまう。

特発性過眠症はきちんと認められている病気なのだが、「ただ眠ってしまう」病気というのは健常者から見れば信じられない、病気とは認めがたい病気で、ただ怠けているだけなんじゃないの?誰だって眠い時はあって、それは当たり前に我慢して仕事やってんだよね。なのにあなたは、何でそこで寝ちゃう訳?と、そう言われるのも仕方ないかな、とも思う。

スノボーでもスキーでも何でもいいのだけれど、遊びにいって本人の不注意で

「骨折しちゃいました!重い荷物持てませーん。パソコン入力も倍の時間かかりまーす!」という人がいたら、皆その人の方を同情するのだろうな。

 

眠りのコントロールがきかない事は勿論、周囲の人の理解を得られない事も、とてもとても大きな試練。

それでも光を見つけて進まなければ出口にはたどり着けない。